フェラン・アドリア氏は、ガストロノミー界に大きな革命をもたらし、スペインのガストロノミーを全世界にプロモーションするのに最も貢献をしたシェフとして、ログローニョにてD.O.Ca.リオハ原産地呼称統制委員会より第17回リオハ名誉賞を受賞しました。彼の成功の軌跡には、スペインワイン、特に、アドリア氏同様最も国際的に有名なリオハワインが供にありました。フェラン氏は、受賞コメントで、『歴代の受賞者のリストはすばらしく、そこに初めて料理人が選ばれたことを誇りに思います。この賞は、アストゥリアス皇太子夫妻の次に、名誉あることです。今回の受賞を、Juli Soler ジュリ・ソレル氏とこれまでエル・ブジで働いてくれたすべての人たち、そして、スペインを信じられないほどのレベルまであげてくれている、全てのスペインのシェフと分かち合いたいと思います。』と述べました。
D.O.Ca.リオハ原産地呼称統制委員長のLuis Alberto Lecea ルイス・アルベルト・レセア氏は、フェラン・アドリア氏を『人生のほとんどを研究に費やし、情熱と真の天才の創造力をかけて料理という仕事に専心してきたプロフェッショナル』と評し、『彼の成功とその素晴らしい発見の数々は、偶然の産物ではなく、彼が完璧を追求し、努力してきた賜物。また、リオハのぶどう、ワインに素晴らしさを追求する、リオハのぶどう栽培家や醸造家たちの完璧主義と向上心にも誇りを感じています。』とコメント。そして、フェラン・アドリア氏のスペインワインの促進を支えてくれたことに感謝し、『彼が国際的に有名になり、スペインを代表する存在となったことで、スペイン、そして、リオハのワインが彼の故郷のものとして認知され、国際的に認められるようになったのです。われわれは、彼のおかげで、今後もワインが社会に肯定的に認知され続け、そして、若者が適度に、かつ、思慮をもってワインを楽しめるようになることを確信しております。』と結びました。
アドリア“現象”は、実にユニークな国際的な影響をもたらしました。彼は、アメリカの雑誌Time タイムで、『世界で最も影響を与えた10人』の中に初めて、そして唯一のシェフとして選ばれました。このようなことはスペインでは初めてで、彼の功績は、スペインブランドの代表として、スペイン文化、スペインのすばらしさを世界に広めることとなったわけです。そして、第二に、スペイン料理界にとっては、現在世界No.1のスペインガストロノミーを求めて、毎年5600万人以上の観光客を見込めるのです。『スペインから離れて海外に行くと、いつもスペインのシェフ、レストラン経営者を大変誇りに思います。ここ10年くらいスペインは世界トップクラスに名を連ねており、今ではそれが当然に感じますが、それは簡単なことではないのです。』と、アドリア氏は振り返りました。
フェラン・アドリア氏は、リオハで得た経験を満足感をもって評価し、良質なワインであり、“魅惑的な、魔法のような” ファーストアタックがあると賞賛し、『もし水と一緒に食事をしたら、料理の味は変わらないだろう。でも、もしワインと一緒に食事をしたら、それは変わるでしょう。さらに、ワインはもう一皿の料理であり、魔法のようなものなのです。ぶどうはただの果物であり、それが身近にあるワインとなるわけですが、ぶどう以外ではこんなことは起こらなかったのです。』と語り、ワインは偉大なる自然の産物に人間の手が加えられた結果だと表現して、『もし人間が自然をよりよいものに変えたものがあったとすれば、それはワインのことでしょう。』と語りました。
エル・ブジの閉鎖後、『今度は社会に恩返しをする番。才能を生み出すことは、富みを生み、雇用をもたらし、社会の競争力を増加させる。」として、フェラン氏は2013年にelBulliFoundation エル・ブジ財団を創設しました。そして、『私たちの夢は、この財団が社会の遺産となってくれることです。人々は、エル・ブジを終わらせないために、レストラン エル・ブジを閉鎖することを理解してくれませんでした。エル・ブジ財団は学校ではなく、カルチャーセンターのようなものです。私たちは1年間料理というゲノムの解読に取り組んでおり、別の形で料理というものを説明することで、世界中にあるすべての学校にそれを提供したいと考えています。』
1998年にリオハ名誉賞を受賞したテレサ・サベル氏は、多くの過去の受賞者(Pedro Duque ペドロ・ドゥーケ氏、Francisco Ayala フランシスコ・アヤラ氏、Federico Mayor Zaragoza フェデリコ・マヨール・サラゴサ氏、Valentín Fuster ヴァレンティン・フステール氏、Sara Baras サラ・バラス氏、Pau Gasol パウ・ガソル氏、Isidoro Álvarez イシドロ・アルヴァレス氏、Cristóbal Halffter クリストバル・アルフテル氏、Carlos Sáinz カルロス・サインツ氏)の名を上げ、フェラン・アドリア氏に祝辞を述べ、ようこそ受賞者クラブへと挨拶し、『リオハ名誉賞は、私たちを自宅以上に特別な場所へ連れて行ってくれる、大変すばらしい賞だと思います。』と語りました。審査員を代表して、秘書官のゴンサロ・ソル氏がフェラン・アドリア氏について紹介、彼の進取の気質と創造性に触れ、『パートナーのJuli Soler ジュリ・ソレル氏と供に25年間エル・ブジを率い、バルセロナに料理研究所を創設し、そしてフェラン氏がもたらした成果が、今日世界中で実っているのです。』と述べました。
リオハ名誉賞
リオハ名誉賞は、ワインと文化を牽引してきたパイオニアに贈られる賞で、これまで16回に渡り、文学、音楽、美術、科学、企業、スポーツの分野で活躍する著名人らに贈れてきました。リオハ名誉賞は、ワインが伝統的で、遊び心があり、また上品で、特に、大変健康によい食品としてこの国で広く認知されるのに貢献してきました。
これまで16回に渡るリオハ名誉賞の受賞者は、 Theresa Zabell テレサ・サベル氏、Sara Baras サラ・バラス氏、Ana Patricia Botín アナ・パトリシア・ボティン氏、Carlos Sáinz カルロス・サインツ氏、Antonio Banderas アントニオ・バンデラス氏、Alejandro Sanz アレハンドロ・サンツ氏、Pedro Duque ペドロ・ドゥーケ氏、Cristobal Halffter クリストバル・アルフテル氏、Isidoro Álvarez イシドロ・アルヴァレス氏、Valentín Fuster ヴァレンティン・フステール氏、Plácido Domingo プラシド・ドミンゴ氏、Eduardo Chillida エドゥアルド・チリーダ氏、Mario Vargas Llosa マリオ・ヴァルガス・リョサ氏、Francisco J. Ayala フランシスコ・アヤラ氏、Federico Mayor Zaragoza フェデリコ・マヨール・サラゴサ氏、Pau Gasol パウ・ガソル氏でした。
また、リオハ名誉賞は、7名の優秀な審査員による公平な審査により選ばれました。審査員は以下の通り:Carmen Iglesias カルメン・イグレシアス氏、María Teresa Álvarez マリア・テレサ・アルヴァレス氏、Ágatha Ruiz de la Prada アガサ・ルイス・デ・ラ・プラダ氏、Adrián Piera アドリアン・ピエラ氏、Rafael Ansón ラファエル・アンソン氏、Luis Cabanas ルイス・カバナス氏、Eduardo Arroyo エドゥアルド・アロヨ氏、D.O.Ca.リオハ原産地呼称統制委員長 Luis Alberto de Lecea ルイス・アルベルト・レセア氏、秘書官 Gonzalo Sol ゴンサロ・ソル氏。
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