スペイン屈指のワイン生産地 D.O.Ca. 特選原産地呼称 プリオラート(ぶどう品種&気候編)

プリオラートの代表的ぶどう品種のひとつ、カリニェーナ(Pedro Álvarez/@ICEX)
プリオラートの代表的ぶどう品種のひとつ、カリニェーナ(Pedro Álvarez/@ICEX)

第1回、第2回メルマガでは、D.O.Ca.プリオラートの概要(第1回)、村呼称(第2回)についてご紹介させて頂きました。

 

D.O.Ca.プリオラートのテロワールへの取り組み、大変興味深く、今後ますます注目な産地です。

 

さて、今回はスペイン屈指のワイン生産地 D.O.Ca. 特選原産地呼称 プリオラートの代表的なぶどう品種、そして、気候についてご紹介。D.O.Ca.プリオラート 特選原産地呼称統制委員会から頂いた情報を元に当方でまとめた内容です。

●代表的なぶどう品種について 

プリオラートで最も栽培されている黒ぶどう品種は、カリニェーナとガルナチャで、いずれも最も優れた土着品種。カリニェーナはワインにしっかりとしたボディ、収斂性をもたらし、色の濃いワインとなります。また、アルコール度数の高いワインとなるためブレンドに大変適したぶどうです。ガルナッチャは繊細でアロマティックな、ボディのしっかりとしたワインとなりますが、色素が少なく、酸化しやすいぶどう。

 

プリオラートの赤ワインは、テロワールが忠実に表現された、アルコール度数の高い、大変複雑なアロマで、肉感的で、しっかりとした味わいで、樽のニュアンスが非常にエレガントなワイン。近年は、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、シラーなど外来品種も入ってきて、素晴らしいワインとなっています。生産量の50%が輸出で、ドイツ、アメリカ、スイスなどの主要ワイン消費国を中心に世界中に輸出されています。

 

白ぶどう品種は、ガルナチャ・ブランカ、マカベオ、ペドロ・ヒメネスがよく使われますが、収穫量のうちたったの5%のみで、のこりの95%が黒ぶどう品種となっています。モストを定温発酵させ、フルーティーでアロマ豊かなバランスのとれたワインとなり、中にはオーク樽で寝かせるものもあります。プリオラートの白ワインは、ここ数年、その個性的な味わいから、見直されています。

 

●気候について

プリオラートは、山に囲まれているため海の影響は受けず、また、モンサン山脈によって冷たい北風から守られ、おかげで特有の気候条件をもたらしてくれ、特に昼夜の温度差は素晴らしいものがあります。夏季は最低気温が12℃、最高気温は40℃にも達するほど、しかも地表が岩状なため地表温度はそれよりさらに高くなります。プリオラート中でも気温が低い地域の年間平均気温は14℃ですが、モンサン山脈の麓では12℃程度に下がります。年間平均降水量は500~600mmで、北部ではもう少し多くなります。

 

 

最後に、2013年ヴィンテージの出来について伺ったところ、以下の回答を頂きました。

「2013年ヴィンテージは、夏季は乾燥しており、8月は酷暑で、色素、タンニン、アルコールと酸のバランス等、順調に成熟してくれ、非常にすばらしい出来。2013年は非常に対極的な気候の年で、春は雨がよく降り、5月、6月はかなり冷涼で、夏季は乾燥した酷暑で、ぶどう栽培に適した気候。病害の被害はほとんどなく、うどん粉病や果房への蛾の被害、べと病もほとんど見受けられず、ぶどうの健康状態は非常に良好。」

D.O.Ca.プリオラート原産地呼称統制委員長の Toni Alcover トニ・アルコヴェル氏によれば、これらのぶどうの成熟度および健康状態からみても、2013年は質、量ともに、非常にすばらしい出来とのことです。

 

最後までお付き合いありがとうございます。 

 

[出典 fuente]
まぐまぐメールマガジン:
スペインのワイン、ガストロノミー情報 ¡Que aproveche! 4月18日号より抜粋

http://www.mag2.com/m/0001627378.html

 

 

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